ウケる雑学

世界のびっくり人間たち ~シモ・ヘイヘ~

マンガ、ゴルゴ13はその腕前からありとあらゆる狙撃をこなします。しかし、このような話はけして空想の話ばかりではありません。かつて第二次世界大戦が本格化する少し前、ソ連がフィンランドに侵攻した冬戦争というものがありました。その際に多くのソ連兵を震え上がらせたのが、シモ・ヘイヘです。

≪白い死神、シモ・ヘイヘ≫

彼は現在のロシアの国境近くの町ラウトヤルヴィで生まれました。軍人になる前は猟師兼農民として生計を立てていたようです。射撃はかなりの腕前だったらしく、射撃大会で得たトロフィーがたくさん家には飾られていたそうです。

そんな彼が活躍したのが、ソ連がフィンランドに侵攻した冬戦争でした。冬戦争はソ連の戦力100万人に戦車6000両航空機3800に対してフィンランド側が兵力25万人に戦車30両航空機130両という圧倒的不利のなか戦うことになりました。戦争の発端はフィンランド軍の砲撃がソ連兵を死傷させたということでしたが、実際はソ連の自作自演だったそうです。ソ連側は戦力差からすぐに終わるだろうと考えていましたがフィンランド軍のゲリラ戦や焦土戦術により思った以上に時間を使ってしまい、冬が到来するとさらにソ連軍を苦しめました。この時の冬の気象条件がマイナス40度の極寒になる日が連日続くという冬季装備の用意のないソ連軍を苦しめます。

≪コッラー川の奇跡≫

ヘイヘは予備役でしたが冬戦争がはじまると招集され故郷のそばのコッラー川周辺の防衛につきます。射撃が上手いことを上司に知られると特定の舞台に配属せず、狙撃兵の任務を与えました。この戦いも非常に戦力差もあるもので、フィンランド軍32人の部隊に対して4000人のソ連兵という戦力差。しかしソ連側の準備不足もあって防衛に成功します。この出来事をコッラー川の奇跡と呼びました。この戦いでヘイヘは狙撃による殺害数が公式記録によると542名という数に上ったらしく、この記録は戦争が始まってわずか100日間という短い時間での記録でスナイパーとしては史上最多の記録だそうです。この時の姿が雪原に身を隠すために白い服でいたためソ連兵から「白い死神」とよび恐れられました。

≪「白い死神」その腕前≫

ちなみに彼がどれだけ射撃が上手かったというと、狙撃用スコープなし、装弾数6発の銃を使った狙撃訓練で150mから1分間に16発の射撃に成功したとか実戦でも300m以内ならばほぼ確実に敵兵の頭部を狙撃するという腕前でした。使用していたモシン・ナガン銃はスコープを装着することができましたが、彼は射撃体勢が変わることと、スコープが光に反射するのを嫌ってつけていなかったそうです。この射撃の腕は入隊前に営んでいたケワタガモ猟によって磨いたものだったそうです。射撃以外にもサブマシンガンを使った戦いも優れていたらしく、ソ連兵はここでの戦いを「殺戮の丘」と呼んでいました。

その後はソ連兵から対策を講じられ、戦いの最中に頭部に重傷を負うと前線から離れることになってしまいました。入院中に戦争は終了し、結局ソ連はフィンランドを侵略できずに終わりました。その後ヘイヘは戦争に出ることなく、猟師兼猟犬のブリーダーになり、余生を過ごし2002年、96歳でこの世を去りました。狙撃の秘訣を聞かれたときに彼は一言「練習だ」といったそうです。