奇跡の猫、アンシンカブル・サム

歴史上、船乗りにとって大事にされてきた猫。それは長い航海中に食料を食べてしまうネズミを捕まえてくれるという理由がありました。そんな船乗りの中でも奇跡の猫と呼ばれる猫がいます。それが第二次世界大戦、ドイツの戦艦ビスマルクに乗っていた猫アンシンカブル・サムです。



激戦を生き抜いた猫

サムの乗っていた戦艦ビスマルクはドイツきっての最新鋭の戦艦でした。サムはこの船のネズミ捕り水兵として可愛がられていました。1941年に「ライン川演習作戦」という当時交戦していたイギリスの補給線を絶つ作戦に参加します。その道中、デンマーク海峡でイギリスの艦隊に遭遇、この戦いでイギリス海軍は戦艦一隻が轟沈、一隻が大破という被害を受けます。これに怒ったイギリス海軍はビスマルクを追撃。戦艦一隻に対して動かせる戦闘艦すべてに追撃させるといすさまじいものでした。激しい戦いの末、戦艦ビスマルクは沈みました。この追撃戦の生存者は2200人の乗員の内、118人だったと言われています。そんな中にサムはいました。



イギリス駆逐艦、コサックに救助されるも…

サムはこの戦いの際、イギリスの駆逐艦コサックに救助されそこでオスカーと名付けられ、可愛がられました。しかし、ビスマルク追撃戦から5カ月たったころ、コサックはジブラルタル海峡からイギリス本国に向かう船団護衛の任務の最中にドイツの潜水艦からの魚雷攻撃により船の先頭1/3が吹っ飛ぶという被害を受け159人が死亡。駆逐艦コサックはあえなく沈没しました。この時の生存者は別の駆逐艦により救助され、オスカーも一命を取り留めます。

救助されジブラルタル海峡の施設へ戻ったオスカーは次の船、空母アークロイヤルへと移りました。このころにアンシンカブル・サム(不沈のサム)と呼ばれるようになります。しかし、この船もマルタへの戦闘機輸送任務からの帰還の最中、ジブラルタルから少し離れた地点でドイツの潜水艦の攻撃を受け沈没。ゆっくり沈んだために一人を除いて全員が生還。オスカーもこの時発動機艇の板にしがみついているところを発見され、保護されました。ビスマルク追撃戦から6カ月ほどしたころの出来事でした

そんな彼は沈む船から三度生還した超ラッキーな猫ということで有名になりますが、彼をのせた船はみんな沈むという評判もたってしまい、その後はジブラルタル島の士官宿舎のネズミ捕りをすることになりました。戦後は貨物船に乗り込み、北アイルランドのベルファストに到着し1955年に亡くなりました。



かたき討ちをした猫?

実は元の乗艦ビスマルクが沈んだ後に乗り込んだ船ですが、なんとこの二隻ともビスマルク追撃戦に関わった船でした。特に空母アークロイヤルは艦載機の攻撃でビスマルクは航行に重要な操舵装置を損傷させていますし、コサックもビスマルクに魚雷攻撃を仕掛けていました。このことからサムはビスマルクのかたき討ちをした?とも言われています。現在、そんな沈まない猫として有名になった彼の浮沈神話をたたえてイギリスの国立海事博物館には彼の肖像画が飾られています。

いかがでしたでしょうか?世の中たくさんの猫が人に可愛がれていますがこんな経歴を持った猫もいるものです。




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