建築予定地から遺跡が出てしまったら家は建てられない!?

「遺跡」は国全体の財産です。もし、自分の土地に家を建てようと掘り返してみたら地中から古代の遺跡らしきものが出てきてしまった場合には、それを無視して家を造ることはできません。もし知らんふりをしてしまうと、5万円以下の罰金刑に処せられます。実際に、元プロ野球選手の梨田さん(近鉄バッファローズ)が家を新築しようとした際、地面から遺跡が出てきてしまい、問題になったことがあります。



遺跡が発掘されやすい場所は、あらかじめ指定されています

文部科学省や地方自治体は、だいたいどんな場所から住居跡や貝塚などが出てきそうなのかということを知っています。過去の遺跡の様子からおおむねエリアを絞っているのです。こうした地区のことを、「周知の埋蔵文化財包蔵地」と呼び、教育委員会の文化財保護課で分布図を掲示しています。こうした土地は、掘れば必ず何かが出てくるというわけではなく、あくまでも可能性があるということです。土地の売買をする際にも、そうした指定のある土地なのかどうかは確認の必要があります。

遺跡などは数十センチ堀ったくらいでは出てこないことも多く、実際には地下に埋まっていても、発見されないこともあります。隣の土地に出たからといって、自分の所でも出るとは限りません。いずれにしても、「周知の埋蔵文化財包蔵地」で家を建てようとする際には、着工の60日前までに、そのエリアの教育委員会文化財保護課に届け出をして、保護課による調査を受けなければなりません。

保護課による調査によって遺跡が出そうだと判断された場合には、家の建築は係官の立ち合いの下に進められることになります。たとえ万が一、遺跡があることがわかっても、その部分を避けて柱を立てれば、建築そのものにストップはかかりません。遺跡は砂をかけてコンクリートで埋めて、何十年後、何百年後の再発掘にそなえて保存されるのです。



遺跡があれば工期が遅れ、費用も高くなります

梨田選手の場合には、着工前に届け出を出して調査を受けたのですが、何と2万2千年も前の住居跡が出てきてしまいました。そこで、柱を打ちこむ位置を変更して、遺跡の柱穴を傷つけないことを条件に建築をそのまま進める許可を得て家を建てたのです。

しかし、当初の予定から設計を変更したりしたわけですので、費用が余分にかかります。梨田選手の場合には、当初の予定では建築費用は1億4千万円でしたが、最終的には1億5千万円以上の費用がかかってしまい、完成も2か月遅れてしまったそうです。大阪府との話し合いによって、予算オーバーの1千万円は双方が折半することで決着したそうです。

家の下に遺跡が眠っているというのはロマンがあってすてきな話にも思えますが、実際に出てきてしまえばお金がかかるという不都合が生じます。お金持ちの方であれば問題ないのでしょうけれど、一般の庶民の場合には、大きな問題になるケースもあるでしょう。嬉しいのか悲しいのか微妙なことになりそうです。


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