5000万度とか1億度ってどうやって測るの?

核融合の実験が物理学の常識をどんどん塗り替えています。全周何kmもあるような大型の装置の中に、加速した原子核を走らせて、衝突させたときにどんなことが起こるのかを実験したりしているようです。こうした実験では、温度を5000万度に上げた、1億度に上がった、などと測定されているのですが、いったいどのように測っているのでしょうか? 小学校では100度までの温度計しか見たことがありませんが、1億度を計れる温度計があるのでしょうか?

物質は高温になると、溶けて蒸発してプラズマになる!?

量子力学の分野では、物質を高温にしてバラバラにすることで、その成り立ちを研究しようとしています。どんな物質も高温にすると形がなくなり、原子がこわれて原子核や電子に分かれてしまいます。これをプラズマといいますが、多くの大学や研究機関ではこのプラズマを研究しているのです。そのため、高温にするための大型の機械が必要となり、ひとつの国だけではなく国際的な協力の下でつくられている装置もあります。

核融合を起こす際には、物質を高温にしてプラズマを作ります。当然のことながら、その窯の中はとてつもない高温ですので、温度計を差し込んだとたんに溶けて原子核とイオンに分解されてしまい、測ることはできません。物質に触れて測ることは不可能なのです。つまり、高温のものの温度を調べるには、そこから発せられる何か別のものを測定するしかありません。

太陽の温度も「表面は5000度」というのも、実際に誰かが近づいて測ったわけではありません。太陽光を調べることで推定しているのです。

曲がり方やレーザー反射で推定します

温度の測り方には二つの方法があります。ひとつは、プラズマイオンのスピードを測ることで温度を推定する方法です。物質の温度とその中の粒子の運動速度との間には比例関係があるため、速さが分かれば温度が分かるという理屈が成り立ちます。イオンはスピードによって曲がり方が異なるため、飛んでいる粒子に磁場をかけて曲げてみて、その大きさで速度を割り出します。すると、温度もわかるという仕組みです。

もう一つはプラズマ粒子にレーザー光を当てる方法です。物質が発する光はプリズムで分解すると、「輝線」という明るい線が何本も出てきます。この輝線同士の幅が広ければ広いほど温度が高いのです。そこで、プラズマイオンにレーザー光をあて、その反射光を分析することで温度が推定できます。

ただ、「幅が広くなる」といっても1000万分の1m単位の話です。100度違ってたくらいでは全く差が出ません。誤差の範囲内におさまってしまいます。この測定法は何万度、何千万度という温度のものにしか使えません。ですので、高温のものの温度表示はとてもざっくりしたものになります。「54,321度」などのように細かく調べることはできません。「5万度」というような大ざっぱな値になるのです。

何万度、何億度というような高温の物質の温度を計るのは、温度計を使ってはできません。そのスピードや、光線の輝度から推定しています。


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